認知症になりやすい人の特徴とは?認知症の原因や予防法について解説

認知症になりやすい人の特徴とは?認知症の原因や予防法について解説

現在、65歳以上の7人に1人が認知症といわれ、身近に認知症の方がいるというのは決して珍しいことではありません。

本記事では、認知症になりやすいといわれている方の特徴について解説していきます。

認知症の原因と予防法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

どのような性格の人が認知症になりやすいですか?
細かいことが気になる
・何事も自力で解決したがる
・いつもイライラしている

このような性格の方は認知症になりやすい傾向があります。細かいことをいつも気にしていると、ストレスが溜まりやすくなります。ストレスを常に抱えている生活は、暴飲暴食・アルコール依存・喫煙などにつながりやすく、生活習慣の乱れの原因にもなってしまうため注意が必要です。また、生活習慣病を抱えている方は認知症のリスクが高くなることもわかっています。自力で何でもやろうとする方は、人に頼ることを嫌いがちです。その結果、人とのコミュニケーションを避ける傾向が強まり、孤立しやすくなることが問題となります。また、常にイライラして怒りっぽい方も同様に、人とのコミュニケーションが希薄になりがちです。これらは、認知症のリスクを高める要因となります。いつも怒って怒鳴ってばかりいる人の近くにいたいと思う方はあまりいないでしょう。その結果、周囲から人が離れていってしまい、孤独になりやすいと考えられます。孤独を感じる方は、そうでない方に比べて認知症のリスクがおよそ2倍になるという研究結果も発表されています。厚生労働省が公開している調査においても、社会参加を通じて他者とのコミュニケーションを取ることで、認知症のリスクが低下するという結果でした。このことからも、人とのコミュニケーションをうまく取れない方は認知症になりやすく、人とのコミュニケーションをうまく取れる方ほど認知症になるリスクは低い傾向にあることがわかります。
認知症になりやすい生活習慣を教えてください。
認知症になりやすい生活習慣は以下のようになります。

・食事が偏っている
・睡眠不足になりがち
・運動習慣がない
・歯磨きの習慣がない
・大量にお酒を飲む習慣がある
・タバコがやめられない
・スマートフォンがないと落ち着かない

食事が偏っていると、脳に必要な栄養が不足し、さらに塩分や脂質が多い食事は血流を悪化させる原因になります。また、睡眠不足も問題です。睡眠が十分に取れていないと、脳にアミロイドβが溜まりやすくなり、睡眠時無呼吸症候群が認知症のリスクを高めることが報告されています。運動習慣がないと、体を動かすことで脳が刺激され活性化する機会が減り、血行も悪くなります。血行をよくし、脳に十分な血液を供給することが認知症のリスクを下げるために重要です。推奨されているのは、1週間で合計150分以上の運動です。さらに、歯磨きの習慣も大切です。咀嚼が脳への刺激となり、脳を活性化させる効果が得られます。歯磨きがきちんとできていないと歯を失う原因となり、咀嚼がうまくできないようになる可能性があるでしょう。大量にアルコールを飲む習慣がある場合、アルコール依存症や大量のアルコール摂取によって、脳の萎縮が高い確率で見られることが疫学調査で報告されています。1週間に350ミリリットル缶を7本以上飲むと、認知症のリスクが高まるとの調査結果もあります。過去5年以上にわたって大量のアルコールを摂取している男性は、そうでない男性に比べて認知症のリスクが4.6倍に増加するそうです。しかし、まったく飲まない方よりも1週間あたり1〜6本のアルコールを飲む方が認知症発症のリスクが低いというデータもあります。少量のアルコールは認知症リスクを下げる可能性があるため、適度な飲酒を心がけましょう。タバコをやめられない場合もリスクは高まります。ニコチンの強い血管収縮作用が脳への血流を阻害し、脳細胞の壊死を引き起こすことで、認知症のリスクが上昇します。近年のアメリカでの研究で、中年期に1日2箱以上のタバコを吸うと、タバコを吸わない方に比べて2.36倍認知症のリスクが高くなるという報告があるため、注意が必要です。さらに、スマートフォンが手放せない状況も問題です。スマートフォン認知症という言葉が示すように、スマートフォンの長時間使用により脳が疲労し、30〜50代でも発症するリスクがあります。ただし、スマートフォン認知症は改善が可能とされており、体調に異変を感じた場合は早めに医療機関を受診することが重要です。
病気や怪我で認知症になりやすくなる可能性はありますか?
過去に頭部外傷を経験した方は、認知症のリスクが高まることが報告されています。特に、アメリカとデンマークの研究によれば、頭部外傷を経験した方は、経験のない方に比べて認知症になるリスクが25%高いという結果が示されています。
認知症が遺伝することはありますか?
アルツハイマー型認知症には遺伝的な要因があると考えられています。そのなかでも家族性アルツハイマー型認知症と呼ばれるタイプは、40〜60代で発症しやすく、進行が早いという特徴があります。しかし、この家族性アルツハイマー型認知症は全体の1%以下とまれな病気であるため、過度に心配する必要はないでしょう。

認知症の原因・初期症状

悩んでいる高齢者女性
認知症の主な原因はなんですか?
認知症には主に4つの型があり、それぞれ原因が異なります

・アルツハイマー型認知症
・血管性認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症

アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβというタンパク質が蓄積することで発症することが知られています。また、頭部外傷もアルツハイマー型認知症のリスクを高める要因と考えられています。血管性認知症は、脳の血管に障害が生じることで発症し、脳梗塞や脳出血によって脳の一部が壊死することが原因です。レビー小体型認知症は、レビー小体と呼ばれるタンパク質が大脳に蓄積することで発症します。前頭側頭型認知症は、前頭葉や側頭葉が萎縮することによって発症すると考えられています。
年齢が原因で認知症になりますか?
認知症の有病率は、年齢が高くなるにつれて増加することがわかっています。2013年のデータによれば、65歳以上の約16%が認知症を発症していると推計されています。この割合は年齢とともに急激に増加し、80代後半では男性の35%、女性の44%が認知症を発症するとのことです。さらに、95歳を超えると男性51%、女性84%にまで達します。高齢化が進む現代社会では、2025年には65歳以上の5人に1人、国民全体では17人に1人が認知症を発症すると予測されています。
認知症の初期症状について教えてください。
認知症は4つの型によって症状は多少異なりますが、全般的な初期症状としては以下のような症状があげられます。

・記憶障害
・見当識障害
・理解力・判断力の障害
・実行機能の障害
・感情表現や反応の変化
・言語障害

記憶に関してはよく知られているように、食事をしたことを忘れてしまったり、約束したことを忘れてしまったりするという症状です。見当識とは時間の感覚や方向感覚などのことで、見当識障害の例としては時間に間に合うように行動できない、道を間違えて家に帰れなくなるといった症状が現れます。症状が進行すると、複数のことを同時に考えることが難しくなったり、今までできていたことが突然できなくなったりします。また、感情表現が乏しくなったり、場の空気を読まずに突飛な発言をするといった症状も認知症の特徴です。さらに、言葉が不明瞭になり、話の内容がわかりにくくなるといった言語障害も症状の一つです。

認知症の予防

介護士との談笑
認知症は予防できますか?
生活習慣と認知症には関係があるというデータが、厚生労働省から報告されています。そのため、認知症を予防するには、生活習慣を見直すことで効果が期待できると考えられます。毎日の食事をバランスの取れたものにしたり、定期的に体を動かしたりすることが大切です。
認知症の進行を遅らせることはできますか?
アルツハイマー型認知症の進行を抑えるために、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬など、さまざまな薬が開発されています。これらの薬は症状を一時的に改善する効果が期待できるものの、完全に認知症の進行を止めるというものではありません。症状によって使用できる薬とそうでない薬がありますが、これらの薬は認知症の症状改善が認められているため、病院を受診することで処方してもらえるでしょう。

編集部まとめ

娘と笑顔で微笑む高齢女性

認知症になりやすい方の特徴や、認知症になりやすい習慣について解説してきました。

ここには、日常生活のなかで簡単に気をつけられることも多く含まれていたのではないでしょうか。

年齢を重ねることは、決してつらいことや嫌なことばかりではありません。むしろ、これまでの経験や知恵を活かして、より充実した日々を送るチャンスでもあります。

毎日の生活を少し見直してみることで、健康で楽しい生活を続けていきましょう。

 

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